<改正入管法と不法滞在>
平成24年7月から入管法が改正・施行されることとなりました。
これにより正規在留者には利便性が向上しますが、オーバーステイ・不法滞在者の摘発が厳しくなり、オーバーステイ・不法在留(不法残留・不法滞在)をしている外国人は、ほぼ一掃されることが予測されるのでご注意ください。
具体的な改正点は以下のとおりです。
1 適法に在留する外国人の方の利便性が向上する改正点
①在留期間が最長5年になります。
これまでは、3年に一度の更新手続きを行っていた外国人の方は、5年に一度の更新でよくなります。(ケースバイケースですが)
②みなし再入国許可制度が導入されます。
有効な旅券及び在留カードを所持する外国人の方が、出国後1年以内に再入国する場合は、原則として再入国許可を受ける必要がなくなります。但し、外国での延長手続きはできないので、1年を超える場合は、再入国手続きが必要です。
③在留カードの交付
在留カードが交付され、外国人住民も住民基本台帳制度の対象者となり、市町村からきめ細かい行政サービスを受けることが可能となります。
2 不正、義務違反への罰則等が強化される改正
(1)在留資格の取消し事由の追加
①不正な手段により在留特別許可を受けたこと
⇒偽装結婚や偽造書類を提出して在留特別許可を受けた場合等が該当します。
②配偶者として「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の在留資格で在留する方が、正当な理由なく、配偶者としての活動を6月以上行わないで在留すること
⇒日本人の配偶者が離婚してそのまま長期在留して風俗店で働き続けたり、結婚後、別居状態が長期にわたる場合等はこれにあたる可能性があります。
③正当な理由がなく住居地の届出をしないこと、または、虚偽の届出をしたこと
⇒配偶者と同居していないのに同居しているとして住民票を移動していないような場合が想定されます。
(2)退去強制事由の追加
①在留カードの偽変造等の行為をすること
②虚偽届出等により懲役以上の刑に処せられたこと
(3)罰則の追加
①中長期在留者の各種届出に関して虚偽届出・届出義務違反、在留カードの受領・携帯・提示義務違反をすること
②不法就労助長罪の見直し
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれを併科されますが、雇用者側が過失がなかった場合を除いて知らなかったことを理由として、処罰を免れることができなくなります。更に、雇用者が外国人の場合は退去強制事由に該当することになります。
③在留カードの偽変造等の行為をすること
3 オーバーステイ、不法在留(不法残留、不法滞在)が困難となります。
(1)今までは外国人登録が義務であったため、オーバーステイの外国人にも外国人登録は認められていました。しかし、今後は外国人登録制度が廃止され、外国人登録証明証の代わりに正規在留者には在留カードが交付されることになります。
一方、在留カードは、オーバーステイ、不法在留(不法残留、不法滞在)の外国人には交付されません。つまり、外国人登録証明書は、有効期限が切れるとただの紙切れとなり、証明書としては役に立たなくなってしまいます。
(2)不法就労助長罪の見直しにより、過失がなかった場合を除いて雇用者側が知らなかったことを理由として、今後は処罰を免れることができなくなります。即ち、不法就労者を雇うことは、雇用者にとって非常に危険なことになるので、不法就労自体が困難な状況となります。
以上より、不法滞在者の今後の日本滞在は困難となりますので、早めに入管に出頭されることをおすすめいたします。
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